関節痛・指の腫れ
指の腫れはよくある症状で、例えば、虫刺されや衝突などでも起こります。しかし、思い当たる原因がないのにもかかわらず腫れてしまうことがあり、不安に思う方もいらっしゃるでしょう。
以下のようなケースでは、原因として疾患が疑われます。
- 指に違和感があり、徐々に腫れてきているように見える
- 指の関節に痛みが出ており、腫れにより曲げ伸ばしをしにくい
- スポーツで指を怪我したのか、指が腫れて痛みを伴っている
指の腫れで考えられる病気
強皮症(きょうひしょう)
強皮症は、皮膚の免疫異常により、皮膚が硬く腫れる疾患です。手指に主に症状が現れ、指の腫れにより動かしづらくなります。
また、レイノー現象を伴うこともあり、冬場など寒冷刺激により指先が変色します。強皮症の疑いがある場合、当院までご相談ください。
関節リウマチ
関節リウマチは自己免疫疾患の一種で、関節を覆う滑膜に炎症が発生している状態です。
30~50代の女性に好発し、関節に腫れや痛み、こわばりなどの症状が現れます。
関節部分であれば全身のいたるところに発生する可能性があり、特に、手指や手首の関節に発生しやすいです。
腱鞘炎(けんしょう炎)、
ばね指
腱鞘炎やばね指はよく知られていますが、激しいスポーツやデスクワークなどで手を酷使した際、指の腫れや痛み、こわばりなどの症状が起きた場合に疑われます。
腱鞘炎は、指を曲げるための腱を支持する腱鞘に炎症が発生した状態です。これにより指の付け根に腫れや痛みなどが現れ、指の曲げ伸ばしが難しくなります。悪化すると、動かせない状態になり、曲げようとするとばねが弾けるように伸びることもあり、これをばね指と言います。
乾癬性関節炎
(かんせんせい かんせつえん)
皮膚疾患の1つである乾癬の合併症で、乾癬患者に指の腫れが認められた場合に疑われます。
乾癬は、皮膚の免疫異常が原因となる疾患で、頭皮や肘、腰、膝などに乾燥した湿疹が現れます。
乾癬性関節炎では、関節にまで免疫異常が及び、指の腫れや痛みを示します。
リウマチと同様に、徐々に骨が破壊されていき関節の変形が進むため、早期発見・早期治療が重要です。
痛風
痛風は、尿酸が結晶化して関節に溜まることで、炎症が起こった状態です。男性や閉経後の助成によく見られますが、若年層でも肥満によって起こることもあります。痛風には、違和感やムズムズ感などの前兆症状があり、徐々に腫れや痛み、熱感などの症状が現れます。激しい痛みにより、生活に支障をきたすこともあります。
へバーデン結節
へバーデン結節は変形性関節症の1つで、手指の第1関節が変形する疾患です。関節の腫れや痛み、変形、可動域の制限、水ぶくれなどが主な症状で、爪も変形する可能性があります。進行スピードは遅く、痛みが現れないこともあれば、急激な痛みが現れることもあります。
ブシャール結節
へバーデン結節と同じく変形性関節症の1つで、手指の第2関節が変形する疾患です。へバーデン結節の合併症として発症することもあります。へバーデン結節と同じような症状を示し、発症初期は物を掴む際に痛みが現れますが、徐々に安静にしている状態でも痛みが現れるようになります。
母指CM関節症
母指CM関節症は、親指(母指)付け根のCM関節に変形が起こる疾患です。比較的女性に多く、40代以上の方によく見られます。物を掴むなど親指を横に広げる動きにより痛みが起こります。病状が進むと、CM関節が膨らんで物を掴む動作などに支障をきたすようになります。また、母指のばね指や手根管症候群を合併する可能性もあります。
外傷
打撲、脱臼、骨折など外傷により指が腫れることがあります。
骨折
外部からの衝撃により骨にひびが入る、あるいは折れた状態です。痛みや腫れなどが起こりますが、神経にダメージが加わると、痺れや力が入らなくなることがあります。また、出血した場合は、時間が経つとあざとなって現れます。
打撲
転倒などにより筋肉などが損傷した状態です。痛みや腫れ、熱感、内出血などが起こり、強い衝撃を受けた場合は骨折してしまうこともあります。
脱臼
関節が一部、あるいは完全に外れた状態です。腫れや痛み、可動域の制限などが起こり、状態次第では骨が変形してしまうこともあります。
指の腫れで受診する目安
腫れが続く場合、痛みや可動域の制限、変形なども起きている場合は早めに当院までご相談ください。痛みなどの症状が強くない場合も、腫れが続く、あるいは繰り返す場合、血管性浮腫などの疾患が起きていることもあります。
受診時は、腫れが現れたタイミング、思い当たる原因、腫れに伴う症状などを詳しく伝えてください。