- リウマチ性多発筋痛症とは
- リウマチ性多発筋痛症が治った人はいる?
- 似た症状がある線維筋痛症
- リウマチ性多発筋痛症の症状
- リウマチ性多発筋痛症の原因
- リウマチ性多発筋痛症の合併症
- リウマチ性多発筋痛症の検査
- リウマチ性多発筋痛症の治療
リウマチ性多発筋痛症とは
リウマチ性多発筋痛症(PMR)とは、免疫システムの異常により関節や筋肉に痛みが現れる疾患です。関節リウマチと症状が似ているように思えますが、異なる疾患です。50歳以上の中高年者に好発し、原因は分かっていません。首や肩、肩甲骨、太ももなどの筋肉・関節にこったような痛みを示し、悪化した場合は両腕を上げられなくなったり、寝返りを打てなくなったりします。また、全身症状も見られ、具体的には微熱や朝のこわばり、体重減少、体力低下、抑うつ症状などを示します。
人口の高齢化に伴って発症者数は増加傾向にありますが、症状を加齢によるものだと勘違いする方もいます。痛み止めなどを使用しても状態が良くならず、悪化していくことで医療機関に受診し、そこで初めて気づくことも多いです。
リウマチ性多発筋痛症が
治った人はいる?
リウマチ性多発筋痛症は、数年にわたり治療を継続することで完治が期待できます。早期に発見し治療を行うことで、症状が安定し、日常生活を取り戻された患者様が多数いらっしゃいます。
治療中は医師の指示に従うことが大切です。中止の許可が出るまでステロイドの内服を継続します。
似た症状がある線維筋痛症
線維筋痛症とは、3ヶ月以上にわたり、全身にいたるところに強い痛みが続く、あるいは繰り返す疾患です。痛みに伴い、こわばりや不眠、疲労感、頭痛、うつ気分、集中力の低下など様々な症状を示します。発症原因は明らかになっていません。近年は神経炎症と免疫系が関係しているのではないかと言われていますが、確実なものではありません。様々な検査を実施しても、他の疾患でも同様の症状を示すため、診断が遅れてしまうことがあります。命を落とすことはないですが、完治させる治療法が確立されていないため、日常生活に大きな障害を及ぼす可能性がある点が問題です。
リウマチ性多発筋痛症の症状
50歳以上の中高年者に好発します。突然、首や肩、肩甲骨、太ももなどの筋肉・関節にこったような痛みを示し、悪化した場合は両腕を上げられなくなったり、寝返りを打てなくなったりします。また、全身症状も見られ、具体的には微熱や朝のこわばり、体重減少、体力低下、抑うつ症状などを示します。これらの症状は痛み止めでは解消しません。
リウマチ性多発筋痛症の原因
関節リウマチは自己免疫が原因と考えられていますが、自己免疫が起こるメカニズムは明らかになっていません。遺伝や感染症などが関係していると言われています。
リウマチ性多発筋痛症の合併症
リウマチ性多発筋痛症は、他の膠原病と同様に合併症のリスクがあります。主なものとして、巨細胞性動脈炎が挙げられます。こめかみ付近の動脈に炎症が発生し、頭痛や発熱、体重減少、倦怠感、視力低下などの症状を示します。視力の低下を放置しているといずれ失明する恐れもあるため、合併症が発生していないか定期的に確認することが不可欠です。
リウマチ性多発筋痛症の検査
リウマチ性多発筋痛症の特徴的な異常はないため、診断をつけるには同様の症状を示す他の膠原病、感染症、がんの除外診断が必要です。除外診断には、血液検査や尿検査、超音波検査を実施します。
リウマチ性多発筋痛症の治療
ステロイドの内服薬による薬物療法が中心となります。膠原病のなかでも、リウマチ性多発筋痛症はステロイドが効果を発揮しやすいと考えられており、少量のステロイドで早い方では1~2週間で改善効果が現れます。なお、ステロイドを使用しても効果が不十分なこともあり、そのケースでは別の免疫抑制剤を組み合わせて治療を行います。
別の膠原病と同様に完治させることが難しく、治療の目的は症状が落ち着いた寛解状態を維持し、進行を防ぐことにあります。
当院に通う患者様には、リウマチ性多発筋痛症を早期に発見して治療を行えたことで、症状が落ち着き普段通りの生活を送れるようになった方も大勢いらっしゃいます。
適切な診断・治療が重要のため、気になる症状があればお気軽にご相談ください。