リウマチではない関節痛
昨今は、人間ドックなどにおいてもリウマチ因子を確認することが多くなってきており、検査で異常値が出た方は心配されることでしょう。なお、関節に違和感や痛みを起こす疾患は多岐にわたり、患者様ご自身では症状が関節リウマチによるものか判断は困難です。
検査結果からリウマチの可能性がある方、関節痛が続く方、その他リウマチの症状が出ている方は、原因を特定するために早めに当院までご相談ください。
リウマチと間違えやすい疾患
手指の痛み、痺れ、腫れ、むくみ、こわばり、可動域の制限、変形などの症状は、様々な原因が考えられます。以下では主な原因疾患について解説します。
更年期障害
閉経前後の更年期では、女性ホルモンが乱れることで、手の痛みやこわばり症状が起こることがあります。
へバーデン結節・ブシャール結節(変形性関節症)
関節の軟骨が摩耗し、関節周囲の骨が変形することで痛みなどの症状を示します。変形性関節症はいくつかの種類に分けられ、手指の第1関節に起こった場合はヘバーデン結節、手指の第2関節に起こった場合はブシャール結節と呼ばれます。
変形性関節症
関節の軟骨が摩耗し、関節に炎症や変形が発生し、痛みや腫れを示す疾患です。また、関節内に水が溜まることもあります。関節であればどこにでも起こる可能性があり、なかでも体重がかかる背骨や膝関節、股関節によく認められ、生活に大きな障害となります。発症初期は動作時に関節に痛みが起こる程度なので放っておくことも多いですが、治療を受けずにいると悪化していき、変形した関節は回復しないため、早期検査・早期治療が欠かせません。
腱鞘炎
手指や手首の腱に炎症が発生し、痛みや腫れを起こす疾患です。原因は激しい運動やオーバーユースなどが挙げられます。
手根管症候群
手首の正中神経が圧迫されることにより、手に痺れや痛みを起こす疾患です。原因には、手首の反復運動や長時間にわたるデスクワークなどが挙げられます。
関節炎
手の関節に炎症が発生し、関節のこわばり、腫れや痛みが現れることがあります。代表的な疾患には関節リウマチや膠原病が挙げられます。
脱臼や骨折
外傷により、手指や手首、手の骨が脱臼あるいは骨折した場合、激痛が起こります。
神経障害
手の神経に障害が起こった場合、痛みや痺れを示すことがあります。手の神経障害には、糖尿病や神経疾患などが関係しています。
腫瘍や嚢胞
手に腫瘍や嚢胞が発生することがあり、痛みや腫れを起こします。腫瘍は良性のものもあれば、悪性の可能性もあります。
感染症
手の皮膚・組織に細菌や真菌などが感染した場合、腫れや痛みを起こすことがあります。
テニス肘
手首や腕の筋肉・腱に過剰に負荷がかかり炎症が発生した場合、痛みを示します。テニス肘はテニス以外にも、手首や腕を酷使する職業の方にも起こることがあります。
リウマチではない関節痛の治療
上記の疾患は関節リウマチと共通する症状がありますが、その他の症状や治療法に違いがあります。関節リウマチの場合、軟骨や骨が破壊されていき、徐々に変形が進みます。
症状が続く場合、原因を特定するためにも当院までご相談ください。原因を調べ、適切な治療を行うことにより症状の解消、重症化予防に繋げます。
当院のリウマチ科について
当院では、日本リウマチ学会の指導医の資格を持つ院長が診療を担当します。
問診にて症状などを詳しく伺い、その後に関節超音波検査や血液検査などで原因を調べます。
関節痛にお困りの方は当院までお気軽にご相談ください。